Loading...

NEWS

琉球新報に近況が掲載されました

ぼくの近況が記事になりました。ステイホームは少し寂しいですが、ぼくは元気に過ごしています!

 

三線と共に新しい世界へ

ぼくは心臓病(洞不全症候群など)と肺疾患をもって生まれました。9歳のとき東日本大震災が起こりました。心臓手術を控えていたことと、原発事故の影響も不安だったことから、余震に揺れる東京を離れて、沖縄に移住しました。

そしてすぐ、ぼくは宮沢和史さんの「島唄」を聞いて三線に夢中になりました。缶から三線にギターのエフェクターをつないでライブ活動を始め、中高時代は県外や海外を含め約200のステージに立ちました。現在は、パソコンで自作するデジタル音楽に三線の響きを融合させるスタイルで、YouTubeで作品を発表しています。

三線をもっと知りたいという思いから、ぼくは琉球古典音楽を学び始めました。ポップスとはまったく違う世界観で最初は戸惑いましたが、師匠の山内昌也先生のご指導はとても楽しいです。

この春、ぼくは特別支援学校高等部(病弱児クラス)を卒業し、沖縄県立芸術大学の琉球古典音楽コースに進学しましたが、新型コロナのパンデミックと重なってしまいました。ぼくはハイリスク者なので休学すべきか悩みましたが、結局ほぼオンライン授業になり、安心して学ぶことができました。

オンラインは、特に実技のレッスンには限界があるし、先生や友達に会えないのは寂しいです。ただ、実際に体験して、オンラインには場所や時間に縛られないメリットもあると気づきました。病弱者の中には、オンラインなら能力を発揮できる人もいます。リモートの学びや仕事のスタイルが洗練されて、バリアフリーが進んでほしいです。いま元気な人も、人生には何が起きるかわかりません。いろいろな選択肢のある社会は、誰にでも優しい社会だと思います。

ぼくは聴覚過敏や過集中などの個性もあり、創作活動に生かしています。マジョリティと同じになることにエネルギーを注ぐのではなく、個性のプラス面を生かす方向に、義務教育が変わってほしいです。

個性が大切なのは、社会も同じです。沖縄は独自の文化を生かすことによって、世界を豊かにできると思います。早くコロナが終息して、みんなで歌ったり踊ったりする沖縄が戻ってくることを願っています。

―― 全国心臓病の子どもを守る会県支部 印鑰理生(いんやく りお)